大阪市淀川区において覚せい剤を使用して車両を運転中に女性を死亡させた交通事故

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覚せい剤を使用して車両を運転中に女性を死亡させた交通事故

【判例名】

大阪地裁平成25年4月17日判決(交通事故民事裁判例集46巻・第2号)

 

【死亡・後遺障害等級】

死亡

 

【賠償額】

AとBは原告(被害者夫)に対し、各自1,708万1,740円。
AとBは原告(被害者長男)に対し、各自909万870円。
AとBは原告(被害者長女)に対し、各自909万870円。
Dは、Aの判決確定後、又はAとの和解成立を条件として、原告(被害者夫)に対し、1,708万1,740円、原告(被害者長男)に対し909万870円、原告(被害者長女)に対し909万870円。

 

【事案の概要】

被告車(普通乗用自動車)の所有者Aの孫の元妻B(昭和47年生まれ、覚せい剤事犯で2回服役)が、Aの自宅から鍵を持ち出して被告車に乗って出かけ、ゲーム喫茶で知り合った初対面のCに同車をAに返還するため運転してA宅に送ってほしいと依頼した。
Cは、覚せい剤を使用した状態で被告車を運転し、追跡するパトカーからの逃走を図り、平成22年1月8日午後8時46分ころ、大阪市淀川区の最高速度が時速30kmと指定された道路の交通整理が行なわれていない交差点で一時停止せず、かつ左右の安全確認をすることなく時速60kmないし70kmで走行し、同交差点に進入しようとする自転車搭乗の被害者と衝突し、被害者を自転車もろとも路上に転倒させ、そのまま逃走を続けた交通事故である。
被害者女性は、同月9日午前0時28分ごろ、外傷性くも膜下出血等により死亡。死亡時、兼業主婦・44歳。
被告は4名。被告車を所有する被告A、Aの孫の元妻の被告B、覚せい剤を使用した状態で被告車を運転し女性を死亡させた被告C、Aが自動車損害保険契約を締結している被告D保険会社。

 

【判例要旨】

1)Bの運行供用者性
被告Cによる被告車の運転は、使用借主で保有者であるBのためにするべき運行であったといえ、Bは運行供用者にある。

 

2)Aの運行供用者性
Aは被告車の所有者で、Bが覚せい剤事犯で服役していた人物であることは当然知っていたにも関わらず、すぐに取り戻そうとせず返還を待っており、AはBが被告車を貸すことについて警戒すべき人物であったのに運行を容認したことから、使用貸借契約が成立したと認められる。
また、所有者であるAが、Cの運行を具体的に予想していたわけではないが、支配・制御し得る立場にあり、その運行を容認したと評価せざるを得ず、Aに運行供用者性が認められる。

 

3)警察官の追跡行為の違法性
警察官の追跡行為による被害発生の具体的危険性は認められず違法であるとはいえず、国家賠償法1条1項に基づく責任は認められない。

 

4)死亡逸失利益
インテリアコーディネーターの資格を取得し、これを生かした仕事をする予定があったことは認められるが、家事従事者としての年収(345万9,400円)を超える収入を得られる蓋然性があったとまでは認められない。基礎収入として年収345万9,000円を認め、就労可能年数23年、生活費控除率は30%を相当とし、3,266万3,481円を認めた。

 

5)死亡慰謝料
本人分2,500万円を認めた。   

 

6)原告らの固有の損害
夫と2人の子どもの固有分として各100万円を認めた。