滋賀県彦根市の幹線道路の中央分離帯付近にて覚せい剤を使用した状態で車線に飛び出して普通乗用自動車と衝突した事故

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覚せい剤を使用した状態で車線に飛び出して普通乗用自動車と衝突した事故

【判例名】

大阪地裁 平成25年1月16日判決(交通事故民事裁判例集46巻・第1号)

 

【死亡・後遺障害等級】

7級12号

 

【賠償額】

29万1,708円

 

【事案の概要】

平成21年7月1日午後9時5分ころ、滋賀県彦根市の県道の中央分離帯付近のゼブラゾーンにて、原告が覚せい剤を使用した状態で友人ともみ合い、第2車線に飛びだしたところ、同車線を走行中の普通乗用自動車と衝突した事故。
原告女性は、症状固定時24歳・無職。

 

【怪我と後遺障害の内容】

頚椎捻挫、腸骨骨折、腹腔内出血、顔面挫創、瘢痕拘縮、左側上顎中切歯歯冠破折等の各診断を受け、平成21年12月14日症状固定診断がなされ、女子外貌に著しい醜状(左前額部に幅1?1.5mm、長さ5cm以上の白色線状痕)を残すものとして、後遺障害7級12号の認定を受けた。

 

【判例要旨】

1) 過失相殺
一般的に、信号無視を伴わない事案における走行車両と横断歩行者との間の過失相殺は、走行車両運転者側の方が相当に大きいが、原告は覚せい剤を使用した状態で、通常歩行者の存在が想定しがたい中央分離帯付近のゼブラゾーンで友人ともみ合いを続け、通行車両にまるで注意を払うことなく第2車線に飛び出したものであり、一般人の行動として想定される範囲から大きく逸脱し、かつ非常に危険なものであるとし、両者の過失割合を、原告60、被告40と認定した。

 

2) 逸失利益
原告は平成17年に男子を出産した後、滋賀県の実家に子供を残して東京に行き、音楽プロダクションで活動。株式会社Aと専属契約を締結し、音楽活動として月給11万1,111円を受け取り、他にもホステスとして活動し、平成20年3月ないし5月の報酬として合計84万2,720円を受け取った。平成20年春ころ、原告交際相手の男性が交通事故で死亡したこともあり、Aの関係者と相談の上、東京を離れ、実家に戻った。この際、ホステスの活動は中断。事故の翌年の22年1月ころから芸能活動を再開していることなどを考慮し、将来にわたって平均賃金相当の収入を得る蓋然性があるとした上で、年額346万8,800円とし、67歳までの43年間にわたり20%の労働能力喪失を認め、1,217万4,031円と認定した。

 

3) 後遺障害慰謝料
外貌醜状の後遺障害慰謝料を1,000万円と認めた。

 

4)既払い額
既払い額は、1,171万円で、原告の損害額に過失相殺を行った後の金額(1,451万7,150円)を下回るものであるから、結局のところ、原告の本訴請求は理由がないことに帰すとされた。