兵庫県柴山港北東方沖合に錨泊していた遊漁船同士の衝突事故

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兵庫県柴山港北東方沖合に錨泊していた遊漁船同士の衝突事故

【判例名】

京都地裁 平成25年2月1日判決(交通事故民事裁判例集46巻・第1号)

 

【死亡・後遺障害等級】

14級9号

 

【賠償額】

592万1,667円

 

【事案の概要】

平成22年7月27日午後2時55分ころ、兵庫県柴山港北東方沖合にて、船首を北西に向けて錨泊していた、原告が所有し船長として乗り組む遊漁船B丸の左舵中央部に、被告所有の遊漁船の船首が衝突した事故である。
原告は、62歳の男性、遊漁船船長。

 

【怪我と後遺症の内容】

事故後、頸部痛、腰部痛、耳鳴り等を訴えて7ヵ所の病院に通院し、治療経過からみて容易に回復するとは考えられないとして、後遺障害等級14級9号と認めた。

 

【判例要旨】

1) 過失割合
被告は、錨泊している原告船に向かって航行し、目測等による原告船への接近状況を確認し、衝突の危険がある場合には、それを回避するための措置を採る注意義務があったのにこれを怠った過失があった。一方、原告にも、原告船を錨泊して釣り客に釣りを開始させるに当たり、自船に向かってくる被告船の動静監視を十分に行い、危険を回避すべき措置を採るべきところ、被告船が自船に迫ることはないと軽信して衝突回避措置を採らなかったことが事故の一因となったとして、両者の過失割合を原告20、被告80と認定した。

 

2)修理費用
FRP製遊漁船の修理費用367万5,000円、上架料等7万6,200円、トイレ等の備品の損壊20万9,000円を損害として認めたが、FRP製遊漁船を修理できる造船所は全国に存在していること等から、同船を建造した造船所で修理する必然性はなかったとして、同船の定係港から造船所までの輸送費、陸送準備費用は相当因果関係のある損害とは認めなかった。

 

3)評価損
同船は、15年前に約1,700万円で新造購入されたものであること、修理後も左舵中央部に一見して判明する損傷が残ったこと、事故歴があることにより取引価格に一定の減価が生じたこと等から、修理によっても回復されない交換価値の下落分として、修理費用の約10%(35万円)と認めた。

 

4)休業損害
事故翌日以降、遊漁船で営業できなかったことによる損害につき、船の修理自体にかかった日数(40日間)及び、船の修理に関する交渉に要した日数を合わせ、事故後70日間を休業期間と認め、同船にかかわる事故前年の所得(93万1,320円)と遊漁船としての営業期間とから算出される1日当たりの所得4351円を基盤して算出された。

 

5)素因減額
事故の約10年前に頚肩腕症候群、頸部椎間板症と診断されたことがあるが、年齢からして頸部椎間板症は退行変性によるものと考えられ、その診断を受けて以降、頸部椎間板の異常によって称する症状の治療を受けたことはなく、椎間板の変性自体は不可逆的であるとしても、事故当時、これが疾患というべき状態にあったとは直ちに認められない等として、素因減額を認めなかった。

 

6)後遺症逸失利益
労働能力喪失率を5%、労働能力喪失期間は7年間と認め、42万5,999万円と認めた。