名古屋市瑞穂区の片側2車線の市道にて、進路変更した車両が後続車両と衝突した交通事後

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片側2車線の市道にて、進路変更した車両が後続車両と衝突した交通事後

【判例名】

名古屋地裁 平成25年5月23日判決(交通事故民事裁判例集46巻・第3号)

 

【死亡・後遺障害等級】

14級9号

 

【賠償額】

被告は原告A(原告車両の運転者)に対し 339万6,231円
被告は原告B(原告車両の所有者)に対し 3万7,500円
被告は原告B社(原告車両と契約を結ぶ自動車保険会社)に対し 18万5,685円
原告Aは原告A社(被告の物的損害を補填した保険会社)に対し 5万160円

 

【事案の概要】

平成22年7月21日午前7時25分ころ、名古屋市瑞穂区の片側2車線の市道にて、第1車線から第2車線に進路を変更中の被告Aが運転する被告車両の右側と原告車両の左前部が衝突した交通事後。
原告は、性別不明・年齢不明・会社員。

 

【怪我と後遺症の内容】

事故発生当日、C整形外科において、頸部挫傷、腰部挫傷の診断を受け、同病院に91回、D病院に9回、E病院に1回、F整形外科・眼科に2回、Gクリニックに1回通院し治療を受けた。
C整形外科医師及びF整形外科・眼科医師は、それぞれ事故後の約8ヵ月後の平成23年3月24日に原告の症状が固定した旨の診断をし、14級9号に該当する旨の後遺障害認定を行った。

 

【判例要旨】

1)過失相殺
原告は被告車両の第2車線進入のおそれを予測できたのであるから、被告が進路変更時の適切な合図を欠いたことを過度に重視することはできないとして、両者の過失割合を、被害者25、加害者75と認定した。

 

2)不法行為
不法行為によって特定の症状が生じたことが認められる被害者の損害を検討するうえで、被害者が就業や日常生活上の動作等の特定の行動をとったことによって症状が増悪ないし遷延した事実が認められても、医師の指示ないし社会通念等に反することを基礎づける事情が認められない限り、症状の増悪ないし遷延について、不法行為との相当因果関係を否定し、損害額を減額することは相当ではないとし、事故の約8ヵ月後を症状固定日とする医師の診断に不合理な点はないとした。

 

3)逸失利益
腰痛による後遺障害の有無及び逸失利益について、後遺障害等級14級9号に該当するものと認め、労働喪失率5%、労働能力喪失期間5年と認定し、86万2,348円と認めた。

 

4)雇用保険上の給付を理由とする損益相殺
原告が、雇用保険上の基本手当及び傷病手当として受給した額につき、原告は、休業給付の請求を行うべきところを、誤って雇用保険法上の請求手続きを行ったため、基本手当及び傷病手当を受給するに至ったと認めるのが相当であるとし、雇用保険法が労働者災害補償保険法12条のような給付と私法上の損害賠償請求権の関係の調整をはかる規定を置いていないのは、原則として、基本手当及び傷病手当の受給を理由とする損益相殺的な調整を否定する趣旨であると解するとしても、休業補償を受給した場合との公平を図る見地から、原告の損害からその全額を控除する調整を行うのが相当と認められた。

 

5)4)の控除について
休業給付を受給した場合と異なり、基本手当及び傷病手当受給が原告の損害賠償請求権の帰属に影響しないことや、原告が休業給付の請求手続を行うべきことを認識しながら、故意に雇用保険法上の請求手続きを行ったものとは認められないことから、過失相殺にこれを控除するのが相当であるとした。