札幌市の国道の路上で深夜に酔って横臥していた男性をタクシーがひき逃げした交通事故

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国道の路上で深夜に酔って横臥していた男性をタクシーがひき逃げした交通事故

【判例名】

横浜地裁 平成25年5月27日判決(交通事故民事裁判例集46巻・第3号)

 

【死亡・後遺障害等級】

死亡

 

【賠償額】

妻に対し  810万4,168円
2人の娘に対し 各110万円
母親に対し 424万5,584円

 

【事案の概要】

平成22年8月1日午前2時48分ころ、被告がタクシーを運転して札幌市中央区にある国道230号線を進行中、酒に酔って路上に横臥していた男性を轢過し、直ちに被害者を救護するなどの措置を講じることなく(救護義務違反)、また警察署に報告することもなく(報告義務違反)、現場を離れて逃走し、同日3時36分に死亡させた交通事故。加害者は、自動車運転過失致死罪及び道路交通法違反罪により、懲役1年8月の判決を受けた。
被害者は、54歳、会社役員である。加害者は、タクシー会社にてタクシー運転手として勤務しており、事故当時、業務のため被告車を運転中だった。

 

【判例要旨】

1) 過失相殺
事故現場付近が店舗の明かり等で比較的明るく、より早期に被害者の発見が可能であり、前方注視不十分のまま、漫然と時速55キロメートルで進行した過失等を考慮して、過失割合を被害者35、加害者65と認定した。

 

2) 逸失利益
妻及び母親は、被害者の死亡により、固有の損害として扶養による利益を喪失したと認められる。被害者の生活費控除率30%、稼働年数を平均余命の約1/2に相当する14年間とし、被害者の逸失利益は2,610万8547円とし、妻の扶養逸失利益は、その40%に相当する1,044万3,418円と認めた。母親は、被害者からアパートの家賃5万5000円のうち少なくとも4万円ないし5万円を負担してもらっており、被害者の逸失利益の15%に相当する391万6,282円と認めた。

 

3) 加害者の公判期日傍聴のための妻の交通費
本件事故が死亡事故で、しかもひき逃げ事案であること、また、加害者に対する損害賠償請求の準備として、加害者の公判期日を傍聴するのは相当であると認められ、被害者の妻が支出した事故に関する刑事事件の公判期日傍聴のための交通費(往復飛行機代、傍聴回数1回)、刑事記録謄写費用(合計10万6,600円)を事故による損害と認めた。

 

4) 慰謝料
被害者と円満に生活していたところ本件事故によって突然夫を失ったこと、また、ひき逃げ事故であったことを考慮し、妻への慰謝料を500万円と認めた。2人の娘に各100万円、母親に200万円を認めた。