神奈川県相模原市の路上にて進路変更した貨物車が大型自動二輪車に衝突し、示談成立後に高次脳機能障害を残して症状固定した交通事故

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貨物車が大型自動二輪車に衝突し、示談後に高次脳機能障害で症状固定した事故

【判例名】

東京地裁 平成25年5月29日判決(交通事故民事裁判例集46巻・第3号)

 

【死亡・後遺障害等級】

7級4号(示談成立時は12級12号)

 

 

【賠償額】

被害者(原告大型自動二輪車の運転者)に対し 3,355万8,184円
被害者両親に対し 各45万円

 

【事案の概要】

平成14年6月1日午後7時30分ころ、神奈川県相模原市の路上にて、被告が普通貨物自動車を運転し、第二車線から第一車線に進路変更をするにあたり、第一車線を後方から進行してきた大型自動二輪車左側面部を衝突させた交通事故。
平成15年8月4日症状固定し、「12級12号」(A)に認定され、加害者と被害者との間で、平成16年11月25日、被害者の損害について既払い金162万9,100円のほか860万円を支払うことを内容とする示談が成立し、その支払を受けた。本件示談後、治療を受け、高次脳機能障害を残して平成22年4月9日症状固定時し、(A)の後遺障害等級認定について異議申し立てをしたところ、「7級4号」に該当するとの判断を受け、自賠責保険827万円の支払を受けた。
被害者は、事故当時23歳、症状固定時31歳、会社員。

 

【怪我と後遺症の内容】

事故により路上に転倒、滑走し、脳挫傷、肺挫傷、胸骨骨折、肋骨骨折等の傷害を負い、右上肢脱力と知覚傷害の後遺障害について平成15年8月4日症状固定し、12級12号に認定された。本件示談後、治療を受け高次脳機能障害を残して平成22年4月9日症状固定し、「7級4号」と認定された。

 

【判例要旨】

1) 示談の効力
本件示談成立当時、高次脳機能障害の発症・増悪、症状固定の見込み時期、後遺障害の程度等を予測することは困難であったとして、同示談の効力は、高次脳機能障害による損害にまで及んでいないと認定した。

 

2) 過失相殺
第2通行帯から第1通行帯に進路変更した被告車両(普通貨物自動車)が、第1通行帯を進行中の原告車両(大型自動二輪車)に衝突した事故につき、被告には進路変更にあたり後方の安全確認を怠った過失があるが、原告にも進路前方車両への動静への注意を怠った過失があるとして、原告10、被告90と認定した。

 

3) 逸失利益
被害車男性の後遺障害(7級)逸失利益の算定において、賃金コンサス男性・高卒・全年齢平均の年収を基礎とし、労働能力喪失率を56%、喪失期間を満67歳までの36年間として算定したうえで、示談の効力として、神経症状による後遺障害(12級)を前提として算定される逸失利益(労働能力喪失率14%、喪失期間20年間)を控除するのが相当と認めた。

 

4) 後遺障害慰謝料
傷害慰謝料90万円と、後遺症慰謝料710万円(高次脳機能障害7級に基づく慰謝料額1,000万円から、示談の効力が及ぶ神経症状12級に基づく慰謝料額290万円を控除した残額)合計800万円と認めた。

 

5) 近親者固有の慰謝料
高次脳機能障害等の後遺障害(7級)につき、近親者固有の慰謝料として、被害者両親に各45万円を認めた。