埼玉県深谷市の交差点で右折した車両が青信号で横断中の男性に衝突した交通事故における既存障害が損害に与えた寄与度について

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横断中の男性に車両が衝突した事故で、既存障害が損害に与えた寄与度について

【判例名】

東京地裁 平成25年6月14日判決(交通事故民事裁判例集46巻・第3号)

 

【死亡・後遺障害等級】

後遺障害等級1級1号。約2年後に死亡

 

【賠償額】

被害者の妻に対し 133万7,211円
被害者の2人の子らに対し 各66万8,605円

 

【事案の概要】

平成20年12月20日午後1時10分ころ、埼玉県深谷市の交通整理が行われている交差点で、被害者男性が歩行者用青信号に従い横断歩道上を歩行していたところ、被告が運転する自家用普通貨物自動車が右折進行し衝突した交通事故である。

 

【怪我と後遺症の内容】

左腓骨開放性粉砕骨折、左脛骨近位端開放性粉砕骨折、右大腿骨挫、頭部挫創等の傷害を負い、左下肢切断手術がされた。平成21年1月13日までB医療センターに、同日から平成22年1月7日までC総合病院に各入院し、同日から平成22年5月23日まで老人保健施設D苑に入所したのちに自宅に帰宅。その後、平成22年10月27日から平成23年5月20日までE病院に入院し、同日F病院に転院し、同年6月3日、急性肺炎を直接の原因として死亡した(本件事故と死亡との相当因果関係は当事者間に争いがない)。
被害者は、事故時72歳、男性、年金受給者(パーキンソン病の既存障害として9級10号)。妻と2人の子あり。死亡時73歳。

 

【判例要旨】

1) 既存傷害が損害に与えた寄与度
平成18年6月29日、被害者はパーキンソン病のステージ2(姿勢保持の障害はなく、日常生活、職業には多少の障害はあるが行い得る)ないしステージ3(姿勢保持障害、活動はある程度制限、機能的障害は軽ないし中程度で一人での生活が可能である)と診断され、本件事故時もステージ2ないしステージ3程度であったと推認でき、既存障害の程度を9級10号と認めるのが相当である。事故前には口径摂取の制限がされていた事実や嚥下性障害及び嚥下性肺炎の兆候がみられないこと等から、既存障害であるパーキンソン病が死亡に与えた寄与度を3割と認めた。
被害者に発生した損害のうち、本事故から平成21年5月8日までは全額、同月9日から死亡日までに対応する部分については7割について責任を負うことを認めた。

 

2) 逸失利益
稼働収入(家事労働)喪失分0円、年金収入喪失分771万6,430円を認めた。

 

3) 慰謝料
本人分の慰謝料は2,200万円、妻固有の慰謝料を100万円、2人の子固有の慰謝料を各50万円と認めた。