東京都渋谷区代々木の首都高速4号線上りにおいて、後部座席に客を乗せたタクシーがスリップして中央分離帯の側壁に衝突し交通事故

tel0120-962-845
受付時間 平日10:00〜18:00
みらい総合法律事務所
〒102-0083 東京都千代田区麹町2丁目3番 麹町プレイス2階

後部座席に客を乗せたタクシーがスリップし中央分離帯の側壁に衝突した交通事故

【判例名】

東京地裁 平成25年7月16日判決(交通事故民事裁判例集46巻・第4号)

 

【死亡・後遺障害等級】

併合14級

 

【賠償額】

2,809万,5834円

 

【事案の概要】

平成20年5月30日午後11時15分ころ、東京都渋谷区代々木、首都高速4号線上りにおいて、被害者が客として乗っていたタクシーが走行中にスリップして中央分離帯の側壁に衝突した交通事故である。
後部座席に乗っていた被害者は、事故当時45歳、女性、内科開業医。
被告は運転手と、その勤務会社である被告D交通株式会社。

 

【怪我と後遺症の内容】

救急搬送されたA病院において、交通外傷、頭部打撲、下肢打撲挫傷、頚椎症、歯牙欠損等の診断。B病院において、頸部捻挫、腰部挫傷等の診断。C病院において、頚椎捻挫、腰部・左下腿挫傷等の診断を受けてそれぞれ通院治療を受けた結果、「局部に神経症状を残すもの」として14級9号に、腰痛と右下肢痛についても14級9号の後遺症を残し、症状固定した。
事故により、被告車の助手席に顔面をぶつけ、両びまん性角膜炎との診断を受けた。
フラッシュバックの症状があり、メンタルクリニックにおいてストレス障害と診断された。

 

【判例要旨】

1) 過失割合
後部座席におけるシートベルト着用は未だ義務化されていなかった上、原告が客として被告が運転するタクシーに乗用していたという事情を考慮すると、過失相殺を問うべきものではないとした。

 

2) 治療費
被告が主張するような軽微なものとはいえず、事故から1年程度の間、医療機関に通院していたことについては事故との相当因果関係が認められ、治療費は相当といえる範囲を逸脱する高額なものではないとし、146万743円を認めた。 
被害者は、両びまん性表層角膜炎との診断を受け、コンタクトレンズ購入代金については、被告が原告は両びまん性表層角膜炎を起こしやすい素因があると主張。しかし、事故時には同症状は改善したものと認められるとし、治療費及び医師の指示によると認められる使い捨てソフトコンタクトレンズの購入代金は、事故と相当因果関係にある損害と認めた。

 

3) 物的損害
7年前に購入した靴4万5,150円の1割、10年前に購入したスカート10万円の1割、シャネルのバッグ9,300フラン(約15万円)の5割、シャネルのピアス19万9,500円の3割、計14万9,365円を認めた。

 

4) 休業損害
事故年各月の収入は、前年同月までの各月の収入と比較しても大きく増大していることから、事故の直前の事業年度収入を基礎とし、そこから売上原価と収入から差し引くべき経費を除いた部分が収入に占める「所得率」を56.63と認めた。
その後の症状固定日までは平均して50パーセントに相当する限度で、事故と相当因果関係のある休業損害とし、859万8,803円と認めた。

 

5) 入院慰謝料
入院慰謝料として150万を認めた。

 

6) 後遺障害逸失利益
原告は、ペットボトルのふたを開けられず、コルセットを常用し、前傾姿勢で杖をついて歩かなければならない状況で、歩く速度は通常人の3分の1から5分の1程度。移動に極度の負担と危険を伴う状況で、後遺障害等級9級に相当し、労働能力喪失率は35パーセントとのことであると主張するが、平成24年5月16日において、比較的高いヒールの靴で杖なしで普通に歩いていることが認められ、労働能力喪失率は5パーセント、労働能力喪失期間は5年とし、1,041万8,701円と認定された。