大阪市東住吉区の路上において、駐車車両を避けて道路中央側に出た自転車と後方から直進してきた原付バイクが衝突した交通事故

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駐車車両を避け道路中央側に出た自転車と直進してきた原付バイクが衝突した事故

【判例名】

大阪地裁 平成25年7月16日判決(交通事故民事裁判例集46巻・4号)

 

【死亡・後遺障害等級】

併合6級

 

【賠償額】

2,072万891円

 

【事案の概要】

平成年20年10月6日午前9時18分ころ、大阪市東住吉区の路上において、駐車車両を避けて道路中央側に出た原告車両(自転車)が、後方から直進してきた被告車両(原動付自転車)と衝突した交通事故。
被害者は、男性・72歳・無職。事故前から脊髄小脳変性症を患っており、著しい障害があるとして、5級の身体障害者手帳の交付を受けていた。
被告Aは、被告B会社の従業員で、事故の際、被告B会社への通勤途中だった。

 

【怪我と後遺症の内容】

前頭葉脳挫傷、左耳出血等の診断を受け、B病院に3日間入院した。平成21年2月16日、原告の障害者手帳上の等級が体幹機能障害について2級、聴力障害について4級に変更された。後遺障害については、7級相当の歩行障害と9級相当の聴力障害を併合して6級と認定された。

 

【判例要旨】

1)過失相殺
原告は本来自転車として道路の左側を通行すべきところ、障害物を避けるためとはいえ道路中央側に出たのであるから、後方から自動車等が来ることを十分予見すべきであったのに、注意を怠って漫然と進路変更を行い、しかも特に手信号等の合図を行わなかった過失があるとする一方、被告には、自転車が駐車車両を避けて中央側に出てくることを十分予見して安全を確保すべき義務違反の過失があるとして、原告10、被告90と認定した。

 

2)被告Aの運行供用者責任
加害車両(原動機付自転車)の前所有者で同車両運転者の義父の運行供用者責任につき、同居もせず、運行管理に何ら関与していないとして、運行供用者責任を認めなかった。

 

3) 被告B会社の運行供用者責任、使用者責任
通勤途上の事故に関する勤務先会社の使用者責任につき、加害車両での通勤を勤務先に正式に申告しておらず、会社から便宜を受けていないこと、通勤に加害車両が必須ではなかったこと、加害車両運転者が勤務先の制服を着ていなかったことから、その通勤が勤務先会社の業務執行と密接な関係があるとの外観があったということも困難であるとして、使用者責任を認めなかった。

 

4) 後遺障害と因果関係
自賠責認定及び異議審において、事故により上位等級に至る程度に悪化したと認められないとして非該当とされた平衡機能障害に関する後遺障害(事故前に後遺障害等級9級程度であった脊髄小脳変性症の進行)につき、後遺障害等級7級相当と認めた。

 

5) 後遺障害慰謝料
身体的素因(脊髄小脳変性症による体幹機能の著しい障害で身体障害者手帳5級)による減額につき、事故により脳挫傷・硬膜下血腫等の診断を受けた事案の治療として、殊更に蔓延化しているとか、治療費・入院慰謝料が膨張しているという状況ではないので、素因減額をしなければ公平に反すると考えられるのはもっぱら後遺障害による慰謝料であるとしたうえで、平衡機能障害に関する既往症の関与率を60パーセント、聴力の後遺障害に対する既往症の関与率を35パーセントとして後遺障害慰謝料を535万5,000円と認定した。